2013年6月24日月曜日

CHANEL ジャケットのクリーニング

CHANEL Pre-Fall 2012 Paris-Bombay コレクションのジャケットのクリーニングのお話。
LOOK16で2着重ねされているこのジャケットを承りました。




シャネルの貴重なボタンを破損してしまうと一大事なので、まずはボタンを取り外します。
ボタンは洗濯する必要はないので、ボタンはぬれたタオルで軽く拭いておきました。

エリや袖口は皮脂や化粧がつくので特別な液を使って前処理します。
ドライクリーニング洗濯機でソフトにソフトに洗います。
脱水時にシワになりやすいので軽く脱水し、あとは乾燥室で常温で自然乾燥させます。
大手などでは早く仕上げるために乾燥機で回したり、温度を上げて乾燥させることもあるようですが、モリクリでは多少納期がかかっても生地の損傷をできるだけ防ぎ洋服を長持ちさせるためにも、弱脱水で自然乾燥でゆっくりと脱液、乾燥させます。

ボタンを元通りに取り付け、シワや癖のついた箇所をスチームアイロンでセットして完成です。

細々とした仕立ての小技のしばらしさ、裏地と表地の張り具合の絶妙なバランス。エリが自然に美しいカーブを描いて曲がるように計算されたラペルの作り。

芸術ともよべるようなすばらしいお洋服をメンテナンスできて本当に幸せです。

2013年6月21日金曜日

MONCLER x COMME des GARÇON 365のダウンジャケットのクリーニング

春先~初夏くらいは工場はダウン祭りになります。
中でもやはりモンクレールのダウンジャケット、ダウンコートが大半をしめます。
値段もいいですがモノも本当にいいので、人気なのはわかります!
ギャルソンとモンクレールのコラボアイテム、ウールとナイロン生地のミックスなんかもなかなかクリーニング的にはややこしいアイテムですが、喜んでお受けします。


クリーニングに出されるのは久しぶりなようで、皮脂汚れがかなりついてましたが、なんとか除去できました。
ウールとポリの切り替えデザインなので水洗いは避け、ドライクリーニングのみで洗いました。ウール部分はかなり埃がついてたので、よーくブラッシングさせてももらいました。
かなりきれいに仕上がったので喜んでいただけるといいなー。

冬物のダウンやコートなどアウターは2〜3年クリーニングに出さない方もおられるようですが、消臭スプレーではクリーニングできていません! 皮脂汚れはどんどん酸化して繊維を痛めていきます。
酸化とはゆっくりと燃やしているようなものでどんどん焦げて硬化していきます。
よく着られる方はシーズンに2〜3回クリーニングに出すことをおすすめします。
1シーズンに1回はクリーニングに出すとお洋服も長持ちしますよ〜。

2013年6月20日木曜日

Balenciaga(2012AW)ウェットスーツ素材ドレスのクリーニング

今回は、バレンシアガの2012AWコレクションで発表されたこのウェットスーツ素材使いのトップスやワンピースのクリーニングのお話。



まずは、傷みや汚れをチェックします。化粧汚れや皮脂汚れなど落ちにくい汚れは先に濃いめ洗剤をスポンジで泡泡にしてささっと前処理し、あとは薄めの洗剤を溶かした25度くらいの水にざぶーんとつけ洗い。

5分くらいつけたら一度洗剤水から出して、水分を軽く拭き取り、汚れが取れてるか目視でチェック。


写真の上の方のちらかり具合がアレですね…。整理しとけばよかった。
気を取り直して、、流水で洗剤分をよくすすぎ、ひたすら干します。

洗濯槽で回すのはもちろん、脱水なんてしてしまうと洗いジワが残ってしまって取り返しのことになってしまいます。
のでー、乾くまで日にちがかかるので、まーまー納期がかかってしまいますが、アイロン仕上げができない分丁寧に丁寧に洗ってお返しします!